時事ネタ帳

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メキシコで発生した放射性物質強奪事件について

日本など世界中で報道されていますが、先週メキシコでは放射性物質強奪の事件が連日報道されていました。

 

12月9日の報道で犯人グループ全員が拘束されたという報道がありましたので、この放射性物質強奪について書いていきたいと思います。今回の顛末について簡単に解説しますと、12月3日に医療用として利用されている放射性物質「コバルト60」を運んでいたトラックが6人組の強盗団に襲われたというものですが、数日後、現場から40キロ離れた場所で強奪されたトラックとともに放射性物質も見つかり、9日に6人全員が逮捕されたことで、幕引きとなりました。

 

被曝をしていることが懸念されたため、逮捕後犯人達は病院で検査を受けましたが、特に以上はなく、その日のうちに、司直に引き渡されたということです。犯人が放射性物質を放棄後、近所に住む複数の住民が被曝している可能性を指摘されていましたが、いずれも、被曝をしていたとしても軽度であり、身体に影響を及ぼすようなものではないことが分かっており、前述の通り直接触れていたであろう犯人も治療を受けていないことなどから考えても、この事件において治療が必要なほどの被曝をした人がいる可能性が低いことが推測できます。

 

逮捕されたばかりということもあり、犯人グループの目的は報道されていませんので分かりませんが、犯人が現場から40キロの地点でトラックとともに放置していたことや、見つかったときの状態などから考えて、はじめから放射性物質と分かっていて盗んだのではなく、ただの強盗団が盗んだものがたまたま放射性物質だったというのが、現在最も有力な説です。

 

これだけこの事件が大ごとになったのは、やはり盗まれたものが放射性物質だったということが大きいです。福島第一原発の事故を見ても分かりますが、放射性物質は人体にとって悪影響を及ぼすものですし、核種(放射性物質の種類)にもよりますが、かなり広範囲に影響が及びます。今回も不特定多数に影響を与える「ダーティボム」としての影響をメキシコ政府や専門家は懸念していました。前述のとおり「コバルト60」は、がんの治療のために居慮機関で利用されたり、農業などでも利用されるなど比較的身近な放射性物質なのですが、それだけに廃棄物としての処理する過程で事故も起きています。

 

台北市では、廃棄物としての処理されるはずの「コバルト60」がアパートの鉄筋に利用されているのが分かり被曝をするなどがありましたし、アメリカやタイなどでも処理で同様の問題が起きています。今回のことを契機に取り扱いについてもっと厳重にすることが必要です。