時事ネタ帳

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世界の医療保険事情 恵まれている日本の公的保険

12月9日のヤフー、国際経済ニュースで取り上げられている「アメリカ、イギリス、中国 恐怖の医療保険事情」を読んで、日本人はつくづく自分達の恵まれた状況に安堵したことだろう。

 

医療費や保険料の負担の大きさが、近年日本でも話題になっているが、こうした国際経済事情を知ると、日本人の抱えている問題が他国の人達の比でないことが分かる。日本では、会社員やその家族が加入する社会保険や共済保険、自治体の国民健康保険などがあり、原則として国民全員が何らかの保険に加入している。保険料や自己負担分などに多少の違いはあるものの、保険証1枚さえあれば、日本全国どこの病院でも、一定水準の医療受けられる制度だ。

 

しかし、世界の保険事情を見ると、国民皆が保険に加入しているとは限らず、医療費の負担の大きさは膨大だ。ニュースでは、アメリカ、イギリス、中国の保険事情について紹介されている。いずれも日本の状況よりもはるかに厳しく、医療費の問題が選挙の争点となるのも頷ける。

 

例えば、アメリカでは、医療保険と言えば民間の保険会社のものが一般的だ。高齢者や低所得者向けの公的な保険制度もあるが、国民の6人に1人は無保険で、大部分の人は自己責任で医療費を賄わなければならない。日本では40万円ほどの盲腸の手術がアメリカでは約200万円かかるということ。民間の医療保険料も高額になりがちだ。

 

イギリスの場合は少し違っている。国民が加入する公的な保険制度があり、医療は無料で受けられる。だが、日本のように自分で病院や医師を選ぶことが出来ない。かかりつけ医制度というものがあり、まずはその医師の診察を受けなければならないのだ。風邪の診察で予約が2週間先といったこともあり、がんなどの診察や手術でも場合によっては数カ月先になってしまうという。どうしてもという場合には、民間の保険を使って病院に行くしかない。

 

中国の場合は、国が広いということもあり、戸籍のある場所によって大分制度に差があるそう。いずれにしても高い医療費が国民の負担になっていることに変わりはない。

 

こうしてみると、日本の保険制度は大分優れているのが分かる。最近、頻繁に病院に行く日本人を取り上げた本が話題となった。家で養生していれば良いような状況でも医師の診察を受けたがる人が増えているために、過剰な医療、投薬、検査などが増えているという。こうした状況の背景には、やはり国民皆保険という制度があると考えられるが、健康意識の高い日本人は、それがベストな方法だと信じて疑わない。著者によると、頻繁に病院へ行く人ほど、早く亡くなるケースが多いというのだから皮肉なものである。病気やけがは、素人判断の油断は禁物だが、常識的な範囲内で適切に医療を受けるということが今、大切となっているのである。