時事ネタ帳

ちょっとした会話ネタ用とかに

地方経済の再生を目指してのさまざまな取り組み

グローバル経済が謳われるいっぽうで、地方経済の衰退はとどまるところを知りません。

地方都市に出かけると、かつては地元の買い物客で賑わっていたのであろうと思われる商店街が、寂しいシャッター街と化している光景によく出会います。地方の人口が減少していることもその要因のひとつですが、大規模なショッピングセンターや全国展開のチェーン店などが地方にも続々出店することによって、多くの買い物客がそちらに流れてしまう傾向があります。

 

それらの店舗のなかには徹底した合理化によって激安価格を売りにしている店も多く、地方の小売店では価格の面で太刀打ちが難しいのが実情です。日本全国どこにいても安価で均質なサービスを受けることを可能にしたそれらの店舗は、たしかに便利ではありますが、独自性という魅力には欠けているともいえます。実際に、それらの店舗での買い物や飲食に飽きてきている消費者も少なくありません。

 

また、過剰な価格競争が生み出すブラック企業の問題や、海外の労働者が劣悪な労働環境で酷使されている現実について疑問を感じる人も多くなっています。環境問題への関心も高まっている今、大量消費の価値観を問い直す時期にさしかかってきています。

 

長らく衰退の一途をたどってきた地方経済ですが、最近では再生を目指してのさまざまな取り組みが活発に行われています。地方自治体や地元の銀行などが主導して地場産業の支援に取り組んでいるほか、関西では地域活性化機構で再生ファンドを立ち上げる動きもあります。熊本県のくまモンに代表されるご当地キャラクターも全国的な人気を集めています。地方経済の活性化といえばまず思い浮かぶのが観光客の誘致ですが、魅力ある街づくりのためには、まずはその地域に暮らす人々が生き生きと生活できるような状況にすることが大切です。

 

地方では高齢化や過疎化が進んでいることも多いものですが、あえて地元に残ったり都市部からのUターンで戻ってきたりした意欲的な若者たちを中心に、地域の伝統的な産業や文化を見直そうという動きも活発になってきています。農業や伝統工芸の担い手を育成する取り組みも行われており、新たなライフスタイルを求めて都市部から移住する人も増えています。

 

インターネットを利用して作り手と買い手が直接結びつくことも容易な時代ですから、新たなビジネスの可能性も広がっています。地方の魅力を再発見することが、これからのトレンドになっていくかもしれません。